色彩

色彩資格取得の先(その1)

色彩検定1級を取得した方がその先どのような道に進んで行くのでしょうか。
ひとつの例として実務経験を積まずに色彩講師を目指す方がいます。
大学生がアルバイトでやるような家庭教師スタイルの受験対策講師でしたらそれは可能かもしれませんが、義務教育の場では大卒後に即教師というシステムには既に弊害が現れています。

一般的な進路としてファッション・プロダクト・環境色彩のカラーコーディネーター(プランナー)を目指す方に対し、実践の場を踏まない方がその業界での色の使い方や本質を伝えることがどこまでできるでしょうか。

たとえば東商の1級テキストを見ますと、配色に関する内容はほとんど述べられていません。
「これが色彩の資格試験のテキストなの?」と感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。
実際に専門分野での色彩に関わる方は最低限、この程度の知識は必要不可欠であるということです。
むしろ色のこと以上に、それ以外のことを考え計画しているということです。

では昨今の学習機関での講師の実態はどうなっているのか。
私が体験した現実の話を紹介します。

多くの場合、色彩講師養成講座に進み、インターンやアシスタントにつきながら、同時に試験範囲である専門分野の学習を積み、講師として教育現場に就くという経緯を踏んでいます。
この専門分野の学習はあくまで講師になる為の勉強の一貫であり、クライアントと応対する業務の実践訓練ではありません。専門分野を目指す受講生達と講座内で共学しながら体験していきます。
そうしながら自分の擬似専門分野を作り出します。

端的に言うと、検定対策講座の色彩講師には色彩関連の実務経験がない方が多く進んでいく傾向やしくみがあります。
逆をいえば色彩やデザインの道で成功していたら、特別な目的がなければ一般的に検定対策講座の色彩講師は目指さないとも言えます。

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