色彩

資格取得後のおかしな現象①

数年前まで、ある環境色彩の改善活動のボランティア団体に参加していました。
その中の分科会で積極的に活動をされていたのは30~50歳代の女性でした。
色彩に関わる実務者の方は色彩の資格は取得していない。
実務者でないない方のほとんどは東京商工会議所主催の「1級カラーコーディネーター(環境色彩)」を取得していました。

その後の会の活動の中でわかってきたことですが、資格取得者の方はこれまでも色彩の仕事を経験していない方達が多く、環境色彩調査では必須の視感測色すらやったとが無いということでした。

そしてみなさん試験は独学(環境色彩の通信・スクールは少ない)で見事に一発突破し、実践経験のない分を会の活動を通し少しでも方法論を理解していこうという2次的目的があるようで、合格はしたが実務経験を積んできていないのでこれからどう活かすかを模索中ということでした。

さて、そうなるとこの1級の資格は何の証明だと考えたらよいのでしょう。
この方達の場合、合格時点では実務、技能を伴わない1級テキストの内容の知識をある程度有していることの証明でしょうか。
もっとも建築士などでも合格時に実務経験が十分ある方は、そう多くはいないのかもしれませんが。


※ボランティア活動を勉強も目的とすることは悪いことではないと思います。
前回ブログの問のように考え方の違いで確かに解答が幾つかに割れることもあり得ることです。
ですから、特に環境色彩分野では主観と客観の相違を小さくすることが非常に大切です。机上の学習では感じ取れない部分がたくさん経験できますので積極的に参加すべきだと考えます。
ただし私が参加した会では、当初の設立目的と、有識者だけの会から市民参加型の開かれた会に変更したという経緯がありました。
会長は「会の目的は勉強の場ではなく活動の場である。」と会員に対し常々発言していましたし、その理由の一つとして前述のような気配を察知していたのかもしれません。
社会的活動の場では少しでもでも利己的とみられるような行動は要注意ですね。

Copyright:(C) 2006 ukplan inc. All Rights Reserved.