色彩

1980年代後半の色彩講座

少し古い話になりますが、私が学習を始めた当時(1980年代後半)は色彩関連の検定はありませんでした。
検定がつくられる以前の色彩講座はどのようなものであったのか、参考にご紹介します。

「カラー・コーディネーター」や「インテリア・コーディネーター」という職業らしき用語を時折耳にし始めるようになった時代です。
当時、教育機関で美術教育を受ける方以外の、一般向け”色彩講座”なるものは全くといってよいほどありませんでした。
しいて言えば財団法人日本色彩研究所の主催する単発セミナーがありましたが、私の周りでは社会人になり色彩の学習をしようという人もいませんでしたし、当時はインターネットのように容易に入手可能な情報が少なく、そこにたどり着くまでも相当の時間を費やしました。

情報収集を続けた結果、運良くスパイラル(青山)とJC3(日本色彩研究所・日本流行色協会・日本色研事業)の共催による「東京カラー・コーディネーター・センター」という組織で「カラーコーディネーター養成講座」を半年後に開講する、という情報を入手できました。

講座は「トレーニングコース・デザイニングコース・専門分野別コース」と3ステップに分かれ、約1年半の学習期間。
講座名のとおりカラーコーディネーターの養成というカリキュラムで実用レベルに達するものを目標に置かれていました。
今思えば、東京商工会議所のテキスト構成に非常に近いものだといえます。
前述の講座はJC3が関わっていましたので、東商カラーコーディネーター検定にも反映されているのかも知れません。

講師陣は基礎部分はJC3の方々、専門分野は色彩各業界の専門知識を有する方々が担当するというスタイルでした。
配色カードによる演習はトレーニングコースで修了しデザイニングコースでは実務レベルに近付けるためのカラー・デザイン演習やコンセプトワーク、マーケィング戦略、調査活動などを積み上げた一連の色彩計画とプレゼンテーションまで。講座時間外のグループワーク、ホームワーク等も含めかなりの時間を費やしました。

古い話で受講料は失念してしまいましたが、振り返るとかなり充実した講師陣と内容であった、と有り難く思います。
当時の課題作品や、小作文など今でも大事に保管してあります。
時折、それを見返すと当時の自分がどのような考えでカラーデザインを制作していたのか今でも明瞭に思い出せます。

残念ながら色彩検定後、既にその講座はありません。
今、同様のレベルの講師を集める講座を開くことは難しく、また高額にもなるでしょう。
その難しい理由についての説明は機会を改めます。

Copyright:(C) 2006 ukplan inc. All Rights Reserved.